山手学院では、実機を使用して自動運転車を開発するプログラム「SEASON TECH」を開講しており、毎年多くの学生が最新のプログラミングを学んでいます。
SEASON TECH以外にも、マシンラーニングを利用した初心者向けの「Donkeycar」や、マサチューセッツ工科大学(MIT)のカリキュラムをそのまま使用し、英語で自動運転について学ぶ「GLOBAL TECH」など複数のコースを設けており、最終的にはMITプログラミング初心者から経験者まで、広く学生にテクノロジー学習の機会を提供しています。
今回は、SEASON TECHに参加した張 そあいさん(高1)と塩﨑 海翔さん(中3)のインタビューを紹介します。
── SEASON TECHに参加したきっかけを教えてください。
張さん もともとプログラミングには非常に興味があり、小学生の時にはScratch、中学生の頃はプログラミング教室でPythonを習っていました。
高校では情報の授業に加えて、クラブ活動の理工学部と、一学期には土曜講座もとっていたので、週に最低3日はプログラミングに触れており、自分では経験がある方だと思っていたのですが、山手学院には自分よりもプログラミングが得意な人がたくさんいて、まだまだだなと感じていました。
プログラミングを学べるチャンスがあるならできるだけチャレンジしたいと思っており、高校入学時のオリエンテーションで配られたパンフレットでSEASON TECHを知って、すぐに参加を決めました。
塩﨑さん 僕もプログラミングを始めたのは小学生の頃。プログラミングが必修化され、技術の授業でScratchを体験しました。
もともとゲームが大好きで、いつか自分で開発できればと思っているので、プログラミング学習には積極的に取り組んできました。中1の時には時乗校長からPythonを、中3の一学期にはwebプログラミングを学び、その後、SEASON TECHに挑戦しました。
中1の時に、Pythonで自動運転にトライしたのですが上手くいかず、今回はリベンジの気持ちもありました。
── 実機を使って自動運転車を開発するSEASON TECHでは、どのような学びがありましたか?
張さん 私は、今回のSEASON TECHで初めて自動運転開発に取り組んだので、最初はとにかく講師の方や同級生、中学生の後輩にもたくさん質問して頼らせてもらいました。
知らない関数が出てくる度に調べたり、頭を使ってどういうロジックなのか考えたり、新たな知識を獲得したのはもちろんですが、実機を走らせてみると想定外のことがたくさん起き、”印象的な失敗”を数多く経験できたなと感じています。
これまで私が触れてきたプログラミングは、「AをBに入れて、値がCよりも大きかったらDになる。同じだったらEになる」というシンプルなルールでしたが、実機を動かすというアウトプットは、それとはレベルが大きく異なり、知識も経験も必要だと実感しました。同時に、プログラミングの複雑さを理解し、その魅力にますます夢中になっています。
塩﨑さん 僕も知らない関数ばかりでしたが、1から教えてもらい、最終的にはなんとか実機を動かすことができました。分からないことに直面した時の解決方法や、今後プログラミングに取り組む際に基盤となる考え方を得られたと思っています。
教材を読みながら自分で進めていくプログラムなので、書かれている説明を読み、ネットで調べてもよく分からないことは講師の方に質問をして…その繰り返し。最初は、何をすれば良いのかも分からず途方に暮れて質問していましたが、コードが理解できてくると、次はとるべきアクションが見えてきて、どう組み合わせたら良いのか?どう書けば良いのか?という質問にレベルアップ。最終的には全員が実機を走らせることができたので、初心者の方も安心して挑戦してほしいです。
張さん 私もそのように感じていて、失敗に対する心構えができたことも大きな収穫でした。今まではパソコンの画面の中で動いていたものが、実機になると失敗した時の衝撃が全然違いました。「失敗」と一言で言っても、動かないだけでなく、急発進してしまったり、走行中に急停止してしまったり、さまざまなケースがあることを知りました。
動かなかった時は、いっそ次回は休んじゃおうかな…と思うくらい落ち込みましたが、友達に教えてもらってエラーが出なくなった時や、最終的に走った時は「やったー!!」と思わず声に出るほど感動しました。
塩﨑さん パソコンの画面に出るエラーよりも、実機の失敗の方が精神的なダメージが大きかったです(笑)。だからこそ、成功した時の感動がすごく大きかったですよね。
小学校の時に体験したScratchは、どのコードをどこに入れるかがあらかじめ決められていたので、数値を少し変えるくらいしかできませんでしたが、SEASON TECHでは自分で1からコードを書いてモノを動かすというのが、全く新しい体験でした。難しかったですが、「あそこを変えたからこう動くようになったんだ」とトライ&エラーを繰り返し、自分で考えて取り組めたことが自信になっています。
── SEASON TECHでの経験をもとに、今後どのようなことに挑戦していきたいですか?
張さん 今回の経験で改めて、プログラミングは精度の高さが重要だと実感しました。特に、自動運転は人の命を左右するもの。1つコードを間違えるだけで事故につながってしまいますし、絶対にミスが許されないものです。
個人的に関心のある生成AIも、活用は進んでいますが精度の面ではまだまだ課題があると思っています。今のところ、大学ではこの分野について学びたいと考えていますが、当面は興味・趣味として、幅広くプログラミングに取り組み、経験を積んでいきたいと思います。
塩﨑さん 僕は将来、アニメやゲームに出てくるような自動運転の車や、空飛ぶ車の開発に携わることができればと思っています。自動運転の技術は確実に進歩していますが、僕が思い描いているものはまだ出てきていません。それを自分で作ることができたら楽しいですよね。
張さん SEASON TECHの先には、英語教材を使うGLOBAL TECHやMITにチャレンジする機会もありますが、私は今回使った教材をマスターできていないので、まずは日本語でも英語でも、その内容をしっかり理解できるようにすることが先かなと思っています。
GLOBAL TECHには、プログラミングを自分とは違う環境で学んだ人たちが集まっているだろうし、海外だからこその出会いがあるんだろうなと思うと、すごくワクワクします。
塩﨑さん プログラミングは世界共通で同じ言語。僕は英語がそこまで得意ではありませんが、英語が分からないなりに、他の国の人とプログラミングを通じてコミュニケーションを取れるんじゃないかなと思っているので、ぜひGLOBAL TECHにも参加してみたいなと思います。
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